地理空間情報とは

「いつ・どこで・何が・どのような状態か?」といった位置や時間に関する情報のことを指します。 基盤となる地図、衛星写真や災害・気象情報、ヒトやモノの移動軌跡、3D都市モデルデータ等、さまざまな種類の地理空間情報があり、災害対策、交通管理、都市計画、農業、観光など、幅広い分野で活用され、私たちの生活をより便利で安全なものにするのに役立っています。

“G空間社会”とは

G空間社会とは、地理空間情報(位置情報)を高度に活用した社会です。G空間社会では、誰もがいつでもどこでも、必要な地理空間情報を簡単に入手し、活用できるようになっています。これにより、私たちの生活はより便利で安全なものになるでしょう。

近年、激甚化・頻発化する自然災害と環境問題、新型コロナウイルス感染症を契機としたデジタル化の加速、地理空間情報に関する技術の飛躍的な進化など、G空間社会の実現に向けた社会情勢は大きく変化しています。

そのような環境下におけるG空間社会の実現には、地理空間情報の活用分野の拡大や分野横断的な取り組みが求められ、分野横断的な連携を促進するための境整備が欠かせません。そして、環境整備にとどまらず、分野横断的な新サービスや新産業のアイデアを実際に実現する人材が必要不可欠です。

様々な分野から人材が結集し、地理空間情報のポテンシャルを最大限に引き出す視点と想像力が集うステージこそが、『イチBizアワード』です。

地理空間情報を活用したサービスやアイデアのご紹介

各アイデアの詳細や他の受賞作品は
2022年度サイトでご紹介しています

イチBizアワード 2022年サイトはこちら
用語集
  • A-Z
    • AI

      人工知能。コンピューターを使って、学習・推論・判断など人間の知能のはたらきを人工的に実現するための技術。Artificial Intelligence の略称。

    • ALOS-2

      「陸域観測技術衛星2号」を参照。

    • ALOS-4

      「先進レーダ衛星」を参照。

    • API

      あるシステムやサービスが他のシステムやサービスと連携するための接続口又はその仕様のこと。APIを通して、あるシステムやサービスの機能の一部を他のシステムやサービスが利用することができる。APIを通して連携することで、アプリケーションの機能を実現するのに必要な全てのプログラムを自ら用意しなくてもサービスを提供できるという利点がある。地理空間情報関係においても様々なAPIが提供されている。

    • BIM/CIM

      Building / Construction Information Modeling, Management の略称。測量・調査、設計段階から3次元モデルを導入することにより、その後の施工、維持管理・更新の各段階においても3次元モデルを連携・発展させて事業全体にわたる関係者間の情報共有を容易にし、一連の建設生産・管理システムの効率化・高度化を図るもの。

    • CPU

      コンピューターの頭脳に当たる装置で、制御と演算を行う。Central Processing Unit(中央処理装置)の略称。

    • DX

      「デジタルトランスフォーメーション」を参照。

    • GIS

      地理空間情報の地理的な把握又は分析を可能とするため、地理空間情報をコンピューターを使用して電子地図上で一体的に処理する情報システム。Geographic Information System の略称。

    • GNSS

      人工衛星からの信号を用いて地球上の位置を求める測位のため各国が整備・運用するシステムで、人工衛星及び必要な地上設備等を含む。米国のGPSが代表的だが、それ以外に も、我が国の準天頂衛星システム、ロシアのグロナス(GLONASS)、欧州連合(EU)のガリレオ(Galileo)、中国の北斗(BeiDou)などがある。Global Navigation Satellite Systems の略称。

    • G空間EXPO

      地理空間情報を活用したサービスや製品が一堂に会した総合展示会やシンポジウムを、産学官の連携により一体的に実施するイベント。平成22年9月に横浜市で初めて開催された。

    • G空間社会

      「地理空間情報高度活用社会」を参照。

    • G空間情報センター

      平成28年11月に稼働が開始された、産学官の地理空間情報を扱うプラットフォーム。官民問わず様々な主体により整 備・提供される多様な地理空間情報を集約し、利用者がワンストップで検索・ダウンロードし利用できる。一般社団法人社会基盤情報流通推進協議会が運用している。

    • PLATEAU(プラトー)

      国土交通省が進める3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化プロジェクト。正式名称は、「Project PLATEAU」。「3D都市モデル」は、現実の都市空間に存在する建物や道路といったオブジェクトの「3次元形状」に加え、用途や建築年といった「意味情報」を統合してデータ化可能なデジタルインフラであり、デジタルツインの基盤となる。3D都市モデルのデータモデル標準化、整備手法の開発、対象都市の拡大、ユースケースの開発等を推進することで、まちづくり、防災、環境、モビリティ等の多様な分野における都市の課題解決や新たな価値の創造を図る「まちづくりのデジタルトランスフォーメーション」の実現を目指す。

    • PLATEAU(プラトー)

      国土交通省が進める3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化プロジェクト。正式名称は、「Project PLATEAU」。「3D都市モデル」は、現実の都市空間に存在する建物や道路といったオブジェクトの「3次元形状」に加え、用途や建築年といった「意味情報」を統合してデータ化可能なデジタルインフラであり、デジタルツインの基盤となる。3D都市モデルのデータモデル標準化、整備手法の開発、対象都市の拡大、ユースケースの開発等を推進することで、まちづくり、防災、環境、モビリティ等の多様な分野における都市の課題解決や新たな価値の創造を図る「まちづくりのデジタルトランスフォーメーション」の実現を目指す。

    • REGARD

      国土地理院が保有する全国約 1,300 点の電子基準点の緯度・経度等をリアルタイムで解析することで、巨大地震が発生した際に、地殻変動量を即時に計算し、そこから地震規模を推定する仕組み。Real-time GEONET Analysis system for Rapid Deformation monitoring の略称。

    • SAR

      合成開口レーダのこと。アンテナを航空機や人工衛星に搭載し、移動しながら電波を送受信することによって仮想的に大きなアンテナを得て解像度を上げる技術。電波を用いるた め、悪天候時や夜間等においても対象物の様子を画像としてとらえることが可能であり、防災等の分野で活用されている。Synthetic Aperture Radar の略称。

    • SAR衛星コンステレーション

      SAR(合成開口レーダ)を搭載した人工衛星による構成される衛星コンステレーションのこと。「小型衛星コンステレーション」も参照のこと。

    • SDGs

      2015 年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための 2030 アジェンダ」に記載された、2030 年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標。17 のゴール・169 のターゲットで構成される。Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称。

    • Society 5.0

      狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く、以下のような新たな経済社会をいう。①サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させることにより、②地域、年齢、性別、言語等による格差なく、多様なニーズ、潜在的なニーズにきめ細かに対応したモノやサービスを提供することで経済的発展と社会的課題の解決を両立し、③人々が快適で活力に満ちた質の高い生活を送ることのできる、人間中心の社会。

    • 3次元点群データ

      3次元地図の一つであり、地形や構造物等について、その高さ情報を含めて点群で表現されたデータ。地形と構造物を含むデータ(オリジナルデータ)、フィルタリングにより地形のみを表現したデータ(グラウンドデータ)、格子状に成形したデータ(グリッドデータ)がある。地形と構造物を含むデータはDSM(Digital Surface Model、数値表層モデル)、地形のみを表現したデータをDEM(Digital Elevation Model、数値標高モデル)とも呼ぶ。3次元点群データを基にベクトルデータやTIN(地表面を三角形の集合体で表現したデータ)の作成が可能である。

    • 4次元

      前後、左右、上下の3次元に加え、時間軸を加えた時空間のこと。

  • あ行
    • 位置情報

      GNSS測量等により得られる位置に関する情報のこと。携帯端末等にも機能が搭載されており、歩行者や自動車のナビゲーション、身の回りの情報検索・提供サービス等幅広く活用されている。

    • ウェブ地図

      ウェブ画面上で閲覧可能な地図サービスの総称。

    • 衛星安否確認サービス

      大規模災害によって地上通信手段が途絶した場合でも、避難所の被災者情報等を準天頂衛星経由で収集するサービス。

    • 衛星画像

      地球観測衛星に搭載されたセンサ(カメラ)によって観測(撮影)される地球上の画像。空中写真と同様の可視画像 や、人間の目で見えない赤外線や紫外線、マイクロ波を用いたレーダ画像など、センサの種類により様々な種類の画像がある。

    • オープンイノベーション

      企業等の内部と外部のアイデアを有機的に結合させ、新たな価値を創造すること。

    • オープンデータ

      一般的には、データは誰もが制限なしにアクセス、再利用、そして再配布できるように利用可能にすべきであるという概念のこと。公的機関が保有するデータを、民間が編集・加工等をしやすい形で、インターネットで公開することを意味する。

  • か行
    • カーボンニュートラル

      二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」から、植林、森林管理などによる「吸収量」を差し引いて、合計を実質的にゼロにすること。政府は 2050 年までのカーボンニュートラル実現を目指している。

    • 海洋基本計画

      海洋基本法(平成 19 年法律第 33 号)に基づき策定されている、海洋に関する施策についての基本的な方針や、海洋に関して政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策等を記載した計画。(閣議決定)

    • 気候変動

      気候が変動すること。地球温暖化等の気候変動に起因して水災害・土砂災害の激甚化・頻発化が見込まれている。政府は、気候変動対策の緩和策と適応策は車の両輪とし、気候変動対策を推進している。

    • 気象警報

      気象庁が発表する、暴風雨、暴風雪、大雨、大雪等に関する重大な災害の起こるおそれのある旨を警告して行う予報のこと。また、予想される現象が特に異常であるため重大な災害の起こるおそれが著しく大きい場合には、特別警報が発表される。

    • 基盤地図情報

      電子地図上における地理空間情報の位置を定めるための基準となる、測量の基準点、海岸線、公共施設の境界線、行政区画等の位置情報。項目や基準等は国土交通省令で定義されている。

    • 空中写真

      航空機から地表面を撮影した写真。国土の状況や環境の把握、社会基盤の管理、災害時における被災地域の特定など広範な分野に活用されている。航空写真とも呼ばれる。

    • グリーン社会

      脱炭素化と経済成長の両立を実現する社会のこと。

    • 小型衛星コンステレーション

      コンステレーションとはもともと「星座」の意味。小型衛星コンステレーションとは、多数の小型人工衛星を互いに連携・協調させ、一つのシステムとして運用を行う状態のこと。

    • 国際標準化機構(ISO)

      電気及び電子技術分野を除く産業分野に関する国際規格の作成を行っている国際機関。ISO/TC 211(地理情報)やISO/TC 20(航空機および宇宙機)等で地理空間情報に関する標準化を議論している。

    • 国土交通データプラットフォーム

      国土交通省は、自らが多く所有するデータと民間等のデータを連携し、フィジカル空間の事象をサイバー空間に再現するデジタルツインにより、業務の効率化やスマートシティ等の国土交通省の施策の高度化、産学官連携によるイノベーションの創出を目指している。国土交通データプラットフォームは、この目的を実現するための、各種データの横断的活用に資するデータ連携基盤となるデータプラットフォーム。

    • 国家座標

      ある国の位置の基準であり、測地基準座標系に準拠した経緯度、平面直角座標、標高などの座標で表現される。我が国では、測量法第 11 条で定められた基準に準拠した緯度、経度、標高、平面直角座標、地心直交座標が、国家座標であ る。一定の精度が保証され、統一的に利用されることで利便性や信頼性が高まるとともに、重複投資の排除等にもつながる。広義では「測地基準座標系」を含む場合もある。

  • さ行
    • 災害・危機管理通報サービス

      防災機関から発表された地震や津波発生時の災害情報などの危機管理情報を、準天頂衛星経由で配信するサービス。

    • 災害ハザード情報

      地震時の揺れの強さや津波高、洪水時の浸水範囲などの災害を発生させる可能性がある現象に関する情報のこと。浸水想定区域図などの地図上に重ね合わせることのできる情報のことを指している。

    • 災害リスク情報

      災害の発生する可能性とその被害(影響)の大きさに関する情報のこと。災害ハザード情報も含めてこの用語を使用している場合がある。

    • サイバー空間

      コンピューターネットワーク上の仮想的な空間。フィジカル空間と対になる概念。

    • 作物統計調査

      農林水産省が、毎年、耕地の状況、収穫量等を調査し、耕地面積、農作物の作付面積、収穫量、被害面積・被害量等を、全国、都道府県(主産県)別等に公表している統計調査。

    • 座標データ

      緯度・経度等の地理空間情報データのことを指している。

    • 自然災害の激甚化・頻発化

      近年、自然災害が頻発し、広範囲にわたる激甚な被害をもたらしている。特に、気候変動の影響により、大雨・短時間強雨の年間発生回数が増加するなど、雨の降り方が変わってきていることが観測されている。例えば、全国約 1,300 の観測地点があるアメダスの観測データによれば、1 時間降水量 50 ミリ以上の短時間強雨の発生頻度は、1976 年以降の統計期間において有意な増加傾向にあり、その最初の 10 年と直近の 10 年を比較すると、約 1.4 倍に増加している。雨の降り方が変化している背景には、自然変動の影響に加え、地球温暖化の影響もあると考えられている。

    • 持続可能な社会

      将来の世代のニーズを満たす能力を損なうことなく、現在の世代のニーズを満たすような開発が行われている社会。「環境と開発に関する世界委員会」が 1987 年に公表した報告書「Our Common Future」で「持続可能な開発」を、「将来の世代の欲求を満たしつつ、現在の世代の欲求も満足させるような開発」と説明している。

    • 市町村災害対応統合システム

      市町村長が避難勧告等を適切に発令できるよう、大量の防災気象情報や災害情報をAIにより分析し総合的なリスクマップを作成して、避難対象エリアや避難勧告・指示タイミングの判断支援を行うシステム。

    • 自動走行システム(自動運転)

      ドライバーの操作なしに自動車が自動で走行するシステムのこと。自動運転を実現するに当たり、地理空間情報関連で は、ダイナミックマップ(高精度3次元地図)やGNSSによる測位が活用されている。自動運転のレベル分けは以下の通りである。
      レベル1:運転支援(衝突被害軽減ブレーキ等)
      レベル2:高度な運転支援(自動の追越し支援等)
      レベル3:特定条件下での自動運転
      レベル4:特定条件下での完全自動運転
      レベル5:完全自動運転

    • 自動配送ロボット

      自動走行などにより、自動で商品等を配送するロボットのこと。

    • 準天頂衛星システム

      日本のほぼ真上を通る軌道(準天頂軌道)に配置された衛星(準天頂衛星)及び静止衛星による衛星システム。GPS衛星と互換性のある信号を送信する衛星測位サービスのほか、測位の精度と信頼性を向上させる補強サービスや災害情報・安否情報を配信するメッセージサービスを提供。令和5年度をめどに、持続測位が可能となる7機体制の確立を目指している。

    • 浸水推定図

      水害発生直後に国土地理院が作成する浸水被害があったと推定される範囲を示した地図。被災状況を示すSNS画像や空中写真等と標高データから浸水状況(範囲・深さ)を推定して、深さを濃淡で表現した地図。

    • 浸水想定区域図

      洪水浸水想定区域図を指している。水防法に基づき、洪水時の円滑かつ迅速な避難の確保や浸水の防止により、水災による被害の軽減を図るため、国土交通大臣又は都道府県知事が指定する区域を図示したものであり、想定し得る最大規模の降雨により当該河川が氾濫した場合に浸水が想定される範囲。市町村はこの図を活用してハザードマップを作成し、住民に周知している。このほか、高潮や雨水出水、津波等災害ごとの浸水想定区域図(津波は浸水想定図)もある。

    • 人流

      人の移動の流れのこと。近年、GNSS受信機が搭載されたスマートフォンが爆発的に普及したことにより、その位置情報データを利用して詳細な人流の解析が可能となってきている。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で人流への注目が集まっている。

    • スマートシティ

      ICT等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画、整 備、管理・運営等)の高度化により、都市や地域の抱える諸課題の解決を行い、また新たな価値を創出し続ける、持続可能な都市や地域であり、Society 5.0 の先行的な実現の場。

    • スマート農業

      ロボット、AI、IoTなど先端技術を活用する農業のこと。

    • 政府衛星データプラットフォーム「Tellus」

      衛星データを利用した新たなビジネスマーケットの創出を目的とする、日本発のクラウド環境で大量の衛星データ、データ処理アルゴリズム、アプリケーションを活用できる衛星データプラットフォーム。

    • 全球地球観測システム(GEOSS)

      各国が実施する衛星、海洋、地上観測によって取得した地球観測データ等を活用した気候変動等のグローバル課題への貢献を目指し、官民を含む広範囲のユーザに対して地球観測データ等を提供する情報基盤。Global Earth Observation System of Systems の略称。

    • 先進レーダ衛星(ALOS-4)

      平成 26 年に打ち上げた陸域観測技術衛星2号「だいち2 号」の後継機であり、Lバンド合成開口レーダを搭載し、令和4年度に打ち上げ予定。「だいち2号」の高い空間分解能(3 m)を維持しつつ、観測幅を4倍(200 km)に拡大することにより観測頻度が向上されるため、発災後の状況把握のみならず、火山活動、地盤沈下、地すべり等の異変の早期発見など、減災への取組において重要な役割を担う。

    • 全地球測位システム(GPS)

      人工衛星から発信される信号を利用して、地球上の3次元位置及び時刻を正確に測定するシステム。GNSSの一つで、米国で開発・運用している。Global Positioning System の略称。

  • た行
    • ダイナミックマップ

      自動運転を実現するために必要な高精度3次元地図情報に、様々な主体が所有し時間とともに変化する位置特定可能な動的データ(動的情報、準動的情報、準静的情報)を重畳したもの。

    • 地殻変動

      地球の表面を構成する地殻に生じている様々な変動を地表面の変形として捉えたもの。GNSS連続観測により地殻変動の姿を連続的に捉えることができる。

    • 地殻変動補正

      複雑な地殻変動が起こっている日本では、測量に利用される基準点等もこの地殻変動の影響により、実際の地球上の位置と座標値が時間とともにずれてしまうことから、地殻変動によるこれらの歪みの影響を補正すること。

    • 地球環境ビッグデータ

      衛星、海洋、地上観測によって取得した地球観測データや気候変動予測データなどを集積させた地球環境分野のビッグデータ。

    • 地球観測データ

      人工衛星からのリモートセンシングにより地球を観測したデータのこと。例えば、可視・近赤外センサでは、可視光線や近赤外線の強さを調べることで植物の分布状況、市街地などの地表の状態を知ることができるのに対し、SARでは、対象物に対して電波を放射しその反射波の強さや位相から火山や地震活動などによる地形変化を調べたりできるなど、衛星に搭載するセンサによってデータで見えるものが異なってくる。

    • 地質情報

      地表及び地下に分布する地層・岩石の特徴、地質時代、分 布、構造を表現した地理空間情報。地質図やデータベースとしてまとめられている。

    • 地図サービス

      民間事業者によるインターネット地図サイトなど、地図に関する情報サービスのこと。

    • チャットボット

      chatbot。「チャット」と「ボット」を組み合わせた言葉 で、人工知能を活用した、テキストや音声を通じて自動的に会話するプログラムのこと。

    • 地理空間情報

      空間上の特定の位置を示す情報(当該情報に係る時刻に関する情報を含む)と、これに関連付けられた情報。

    • 地理空間情報活用推進基本計画

      地理空間情報活用推進基本法(平成 19 年法律第 63 号)に基づき、地理空間情報の活用の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るために政府が策定する基本的な計画。(閣議決定)

    • 地理空間情報活用推進基本法

      平成 19 年法律第 63 号。国民が安心して豊かな生活を営むことができる経済社会を実現する上で地理空間情報を高度に活用することを推進することが極めて重要であることにかんがみ、地理空間情報の活用の推進に関する施策に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、地理空間情報の活用の推進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、地理空間情報の活用の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進することを目的とした法律。

    • 地理空間情報高度活用社会(G空間社会)

      誰もがいつでもどこでも必要な地理空間情報を使ったり、高度な分析に基づく的確な情報を入手し行動できる社会。G空間社会の構築を目指した様々な取組を記載している。

    • 地理空間情報の循環システム

      G空間情報センターをハブとして、目的に応じて形成される各種の地理空間情報の集約システムや情報センターとを相互に連携させることで、より多くの情報を共有し、更に解析・加工をしていくことで新たな価値のあるデータを生成し、フィードバックすることでデータを循環させる仕組み。

    • 地理総合

      新学習指導要領(平成 30 年改訂)における高等学校の新たな共通必履修科目。持続可能な社会づくりを目指し、現代の地理的な諸課題を考察する科目。地図や地理情報システムなどを用いることで、汎用的で実践的な地理的技能を習得することなどが主要な特徴である。令和4年度高等学校入学生から年次進行で実施予定。

    • データ統合・解析システム(DIAS)

      地球観測データや気候変動予測データなどを蓄積、統合、解析することにより、気候変動等の地球規模課題の解決に貢献する情報基盤。Data Integration and Analysis System の略称。

    • デジタルインフラ

      一般的には通信網やデータセンター等などのデジタル社会を支える設備のことを指すが、主として、デジタル社会を支える基盤的なデータのことを指している。

    • デジタル改革

      社会のデジタル化を進めること。「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」(令和2年 12 月 25 日閣議決定)において、今般のデジタル改革が目指すデジタル社会のビジョンとして「デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社 会」を掲げている。

    • デジタルツイン

      現実世界と対になる双子(ツイン)をデジタル空間上に構築し、モニタリングやシミュレーションを可能にする仕組み。

    • デジタル田園都市国家構想

      令和3年に発足した岸田文雄政権が掲げている構想。デジタル技術の活用によって、地域の個性を活かしながら、地方を活性化し、持続可能な経済社会を実現する「デジタル田園都市国家構想」の実現を図っていくこととしている。

    • デジタルトランスフォーメーション(DX)

      世の中で使われている本用語の定義は厳密には一致していないが、ここでの定義は、「世界最先端デジタル国家創造宣 言・官民データ活用推進基本計画」(令和2年7月 17 日閣議決定)におけるものを踏襲し、以下としている。「将来の成長、競争力強化のために、新たなデジタル技術を活用して新たなビジネスモデルを創出・柔軟に改変するこ と。企業が外部エコシステム(顧客、市場)の劇的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技 術)を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネスモデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること。」

    • 電子基準点

      GPSや準天頂衛星等の測位衛星(GNSS)の電波を受信して連続的に観測を行う国家基準点で、国土地理院により全国約 1,300 か所に設置されている。受信したデータはリアルタイムで国土地理院の中央局に送られ、国土地理院では得られたデータから各電子基準点の位置関係を高精度に計算している。電子基準点は、測量、全国の地殻変動監視及びi-Construction やスマート農業等の高精度測位に利用されている重要なインフラである。

    • 登記所備付地図

      不動産登記法(平成 16 年法律第 123 号)第 14 条第1項の規定に基づき、登記所に備え付けられる地図のことをいい、これにより、各土地の位置及び区画(筆界(境界))を明確にすることができる。なお、登記所備付地図が備え付けられるまでの間、これに代えて、地図に準ずる図面(公図)が備え付けられている(同条第4項)が、公図は、明治期の地租改正の際に作成されたものが多く、現地を復元するほどの精度と正確性を有していない。

    • ドローン

      無人航空機のことであるが、マルチコプター型のものを特にドローンと呼ぶ場合がある。

  • な行
    • 農業基盤データ

      農地区画単位の画像情報に地番情報や農家・耕作者情報等の属性情報を付加したデータ。

    • 農林水産省地理情報共通管理システム(eMAFF地図)

      農林水産省共通申請サービス(eMAFF)の利用を進めながら、デジタル地図を活用して、農地台帳、水田台帳等の農地の現場情報を統合し、農地の利用状況の現地確認等の抜本的な効率化・省力化などを図るためのシステム。

  • は行
    • ハイスペックドローン

      通常のドローンの性能(動画及び画像撮影機能、機体と操縦装置の通信が途絶した場合における安全機能)等に加え、自立制御飛行機能、防水性能、赤外線カメラを有した汎用性に優れたドローンのこと。なお、ハイスペックドローンの中には地図画像作成機能を有したものもある。

    • ハザードマップ

      地震、台風、火山噴火等による災害時における人的被害を防ぐことを主な目的として作成された地図。被害想定情報や、避難場所等の情報が掲載されている。

    • ハザード・リスク情報

      地震時の揺れの強さや津波高などの自然現象とその発生確率や、それらの情報をもとに想定される災害が発生した場合の社会的影響に関する情報のこと。

    • ハザード・リスク評価

      ある場所においてどのようなハザードが発生しうるかを評価することをハザード評価という。また、そのハザードによって生じるリスクを評価することをリスク評価という。

    • バリアフリーデータ

      バリアフリートイレやエレベーター等の情報のこと。国土交通省は官民連携でバリアフリー情報のオープンデータ化・活用の取組を推進している。

    • パリ協定

      2015 年にパリで開催された国連気候変動枠組条約第 21 回締約国会議において採択された気候変動に関して全ての国が参加する 2020 年以降の新たな国際枠組み。2016 年発効。温室効果ガス排出削減の長期目標として、気温上昇を2℃より十分下方に抑えるとともに 1.5℃に抑える努力を継続すること、そのために 21 世紀後半に人為的な温室効果ガス排出量を実質ゼロ(排出量と吸収量を均衡させること)とすることが盛り込まれている。

    • 阪神・淡路大震災

      平成7年1月 17 日に発生した兵庫県南部地震により発生した大震災。被災状況の把握や復興計画の策定の際にGISが活用されたが、関係府省がそれぞれ独自にシステムやデータを整備した結果、効率的な整備や相互利用を行うことができなかった教訓を踏まえ、同年9月に内閣に「地理情報システム(GIS)関係省庁連絡会議」が設置され、GISの普及のための必要な施策を講じることになった。同会議はその後発展的に改組され、現在の地理空間情報活用推進会議につなが っている。

    • ビッグデータ

      ボリュームが膨大でかつ構造が複雑であるが、そのデータ間の関係性などを分析することで新たな価値を生み出す可能性のあるデータ群のこと。

    • 標高データ

      ジオイド(標高基準)からの鉛直方向の高さ。日本の標高は東京湾の平均海面を基準にしている。

    • フィジカル空間

      実世界のこと。サイバー空間と対になる言葉。

    • 不動産ID

      住所や地番の表記ゆれに影響されることなく不動産を一意に特定することができる、各不動産の共通コード(令和3年度中に国土交通省においてルール策定予定)。

    • プローブ情報

      人間が持っているモバイル端末や、自動車に搭載されたセンサ等が取得する位置情報を活用して、人間や自動車の行動や動きに関して生成された様々な情報のこと。

    • ベース・レジストリ

      内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室(現在のデジタル庁)によると、「公的機関等で登録・公開され、様々な場面で参照される、人、法人、土地、建物、資格等の社会の基本データであり、正確性や最新性が確保された社会の基盤となるデータベース」と定義されている。地理空間情報関係では、電子国土基本図等がベース・レジストリとして指定されている。

    • 防災計画

      防災に関する計画のこと。中央防災会議が政府の防災対策に関する基本的な計画である防災基本計画を定めているほか、国・地方公共団体、企業、地域コミュニティ等がそれぞれの行動計画等を定めている。

    • 防災サイクル

      耐震化・ハザードマップの整備等の事前防災、災害発生直後の災害状況の早期把握・被災者の早期救出等の緊急的な対 応、その後の復旧・復興等の防災に関する一連のフェーズのこと。災害からの被害軽減のためにはこれらを総合的に取り組む必要がある。

    • 防災情報

      防災に関する情報のこと。災害発生後に得られる被害情報等のほか、ハザード・リスク情報等の事前防災に資する情報も含む。

    • 防災地理情報

      洪水や液状化等の自然災害によるリスクの把握に役立つ情 報。土地の成り立ちと、その土地が本来持っている自然災害リスクを確認できる地形分類データや活断層等の位置等を表した活断層図、過去に起きた自然災害の規模や被害の状況を伝える自然災害伝承碑の情報等が含まれる。

  • ま行
    • 水循環

      太陽のエネルギーによって海水や地表面の水が蒸発し、上空で雲になり、やがて雨や雪になって地表面に降り、それが次第に集まり川となって海に至るというように、水が循環すること。

    • 水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W)

      平成 24 年に打ち上げた地球観測衛星。海氷・氷床・積雪などの雪氷圏変動、エルニーニョに代表される大気・海洋相互作用に伴う海面水温・降水量・水蒸気量等の変動を観測している。

    • 民間車両プローブ情報

      自動車メーカー等が収集している個々の自動車の位置や速度に関する情報。得られた情報をビッグデータとして処理することで、渋滞情報などに活用されている。

    • 無人航空機

      UAV(Unmanned Aerial Vehicle)とも言われる。航空法(昭和 27 年法律第 231 号)において「無人航空機」は、航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空 機、飛行船その他政令で定める機器であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをいう。)により飛行させることができるもの(その重量その他の事由を勘案してその飛行により航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないものとして国土交通省令で定めるものを除く。)として定義されている。一般的に「ドローン」と呼ばれる。

    • モビリティ

      自動車、鉄道などの各種移動手段のこと。近年、次世代のモビリティとして空飛ぶクルマ等の開発が進められている。

  • や行
    • ユースケース

      利用事例、導入事例のこと。

  • ら行
    • リスク情報

      危険性に関する情報のこと。災害による被害の危険性についてこの用語を用いている。

    • リモートセンシング

      人工衛星や航空機等に搭載された様々なセンサを使って、離れた場所から対象物を計測、観測すること。

    • ローカル5G

      5Gとは、「超高速」、「多数同時接続」、「超低遅延」の機能を持つ次世代の移動通信システム。ローカル5Gとは、地域の企業や自治体等の様々な主体が、自らの建物内や敷地内でスポット的に柔軟に構築できる5G システム。様々な課題の解決や新たな価値の創造等の実現に向け、多様な分野、利用形態、利用環境において活用されることが期待されている。

    • ロボットトラクター

      無人で自動走行が可能なトラクターのこと。トラクターとは車両系の農業機械の一つで、作業機をけん引して農地を耕すなど様々な用途で用いられる。