用語集

A〜Z

AI

人工知能。コンピューターを使って、学習・推論・判断など人間の知能のはたらきを人工的に実現するための技術。Artificial Intelligence の略称。

ALOS-2

「陸域観測技術衛星2号」を参照。

ALOS-4

「先進レーダ衛星」を参照。

API

あるシステムやサービスが他のシステムやサービスと連携するための接続口又はその仕様のこと。APIを通して、あるシステムやサービスの機能の一部を他のシステムやサービスが利用することができる。APIを通して連携することで、アプリケーションの機能を実現するのに必要な全てのプログラムを自ら用意しなくてもサービスを提供できるという利点がある。地理空間情報関係においても様々なAPIが提供されている。

Asia Pacific Regional Reference Frame(APREF)

国連地理空間情報管理のためのアジア太平洋地域委員会 (UN-GGIM-AP)のもとで、加盟国がアジア太平洋地域内のGNSS連続観測局のデータの共有を促進し、同地域の信頼できる測地基準座標系を構築するため、加盟国の国家測量機関が協働して、GNSS連続観測を行うプロジェクト。

BIM/CIM

Building / Construction Information Modeling, Management の略称。測量・調査、設計段階から3次元モデルを導入することにより、その後の施工、維持管理・更新の各段階においても3次元モデルを連携・発展させて事業全体にわたる関係者間の情報共有を容易にし、一連の建設生産・管理システムの効率化・高度化を図るもの。

CPU

コンピューターの頭脳に当たる装置で、制御と演算を行う。 Central Processing Unit(中央処理装置)の略称。

DX

「デジタルトランスフォーメーション」を参照。

GIS

地理空間情報の地理的な把握又は分析を可能とするため、地理空間情報をコンピューターを使用して電子地図上で一体的に処理する情報システム。Geographic Information Systemの略称。

GISデータ

GIS上で扱うことができるデータ。代表的なデータとしてはXML形式、SHAPE形式及びTIFF形式などがある。

GNSS

人工衛星からの信号を用いて地球上の位置を求める測位のため各国が整備・運用するシステムで、人工衛星及び必要な地上設備等を含む。米国のGPSが代表的だが、それ以外に も、我が国の準天頂衛星システム、ロシアのグロナス(GLONASS)、欧州連合(EU)のガリレオ(GALILEO)、中国の北斗(BEIDOU)などがある。Global Navigation Satellite Systems の略称。

GNSSデータ

GNSS受信機により取得されるデータ。

GNSS連続観測局

GNSS衛星のデータを常時受信し、通信装置により受信データをデータセンターに送信する機能を備えた固定局。国土地理院が全国約 1,300 か所に設置している電子基準点をはじめ、携帯電話事業者を中心に民間企業等でも設置が進んでいる。

GNSS連続観測システム (電子基準点網)

全国約 1,300 か所に設置された電子基準点と中央局(茨城県つくば市)からなる、高密度かつ高精度な測量網の構築、広域の地殻変動の監視及び位置情報サービスの支援を目的とした国土地理院による観測システム。GEONETとも呼ばれる。

G空間EXPO

地理空間情報を活用したサービスや製品が一堂に会した総合展示会やシンポジウムを、産学官の連携により一体的に実施するイベント。平成 22 年9月に横浜市で初めて開催され た。

G空間社会

「地理空間情報高度活用社会」を参照。

G空間情報センター

平成 28 年 11 月に稼働が開始された、産学官の地理空間情報を扱うプラットフォーム。官民問わず様々な主体により整 備・提供される多様な地理空間情報を集約し、利用者がワンストップで検索・ダウンロードし利用できる。一般社団法人社会基盤情報流通推進協議会が運用している。

i-Construction

調査・測量から設計、施工、検査、維持管理・更新までのあらゆる建設生産プロセスでICTを活用すること等により、大幅に生産性を向上させる取組。

I-都市再生

社会活動の高度化や日常生活における質の向上を実現させるため、都市情報と都市活動に関連する静的・動的な情報を連携させることで社会の最適化を図る都市情報基盤。地理情 報、VR(Virtual Reality:仮想現実)、ビッグデータ等の技術を活用し、空間的、数値的な理解が直感的に得られることにより、様々な課題の分析、検討、解決を図る。

ICT

「情報通信技術」を参照。

ICT活用工事

施工プロセスの各段階(①3次元起工測量②3次元設計データ作成③ICT建設機械による施工④3次元出来形管理等の施工管理⑤3次元データの納品)においてICTを全面的に活用する工事。

ISO

「国際標準化機構」を参照。

KPI

「重要業績評価指標」を参照。

Lアラート

安心・安全に関わる公的情報など、住民が必要とする情報が迅速かつ正確に住民に伝えられることを目的とした情報基盤のこと。地方自治体、ライフライン関連事業者など公的な情報を発信する「情報発信者」と、放送事業者、新聞社、通信事業者などその情報を住民に伝える「情報伝達者」とが、この情報基盤を共通に利用することによって、効率的な情報伝達が実現できる。全国の情報発信者が発信した情報を、地域を越えて全国の情報伝達者に一斉に配信できるので、住民はテレビ、ラジオ、携帯電話、ポータルサイト等の様々なメディアを通じて情報を入手することが可能となる。

Multi-GNSS Asia (MGA)

国連宇宙部(UNOOSA)GNSS国際委員会(ICG)のもと、アジア・オセアニア地域におけるマルチGNSSの利用や実用化の促進を目的とする組織。マルチGNSSと は、米国のGPS、日本の準天頂衛星システム、ロシアの GLONASS、EUのGALILEOなど複数の種類の測位衛星システムを利用して衛星測位を行うこと。

PLATEAU(プラトー)

国土交通省が進める3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化プロジェクト。正式名称は、「PROJECT PLATEAU」。「3D都市モデル」 は、 現実の都市空間に存在する建物や道路といったオブジェクトの「3次元形状」に加え、用途や建築年といった「意味情報」を統合してデータ化可能なデジタルインフラであり、デジタルツインの基盤となる。3D都市モデルのデータモデル標準化、整備手法の開発、対象都市の拡大、ユースケースの開発等を推進することで、まちづくり、防災、環境、モビリティ等の多様な分野における都市の課題解決や新たな価値の創造を図る「まちづくりのデジタルトランスフォーメーション」の実現を目指す。

REGARD

国土地理院が保有する全国約 1,300 点の電子基準点の緯度・経度等をリアルタイムで解析することで、巨大地震が発生した際に、地殻変動量を即時に計算し、そこから地震規模を推定する仕組み。Real-time GEONET Analysis system forRapid Deformation monitoring の略称。

SAR

合成開口レーダのこと。アンテナを航空機や人工衛星に搭載し、移動しながら電波を送受信することによって仮想的に大きなアンテナを得て解像度を上げる技術。電波を用いるた め、悪天候時や夜間等においても対象物の様子を画像としてとらえることが可能であり、防災等の分野で活用されている。Synthetic Aperture Radar の略称。

SAR衛星コンステレーション

SAR(合成開口レーダ)を搭載した人工衛星による構成される衛星コンステレーションのこと。「小型衛星コンステレーション」も参照のこと。

SDGS

2015 年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための 2030 アジェンダ」に記載された、2030 年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標。17 のゴール・169 のターゲットで構成される。 Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称。

SGDAS (スグダス)

国土地理院が保有する膨大な地形情報等のデータセットと、気象庁が発表する震度分布データを活用し、地震発生後 15分以内に、斜面崩壊・地すべり・液状化の発生可能性がある地域を自動で推計する大規模災害初動対応のための装置。 Seismic Ground Disaster Assessment System(地震時地盤災害推計装置)の略称。

SIP4D

国立研究開発法人防災科学技術研究所が運営する、災害対応に必要とされる情報を多様な情報源から収集し、利用しやすい形式に変換して迅速に配信する機能を備えた、組織を超えた防災情報の相互流通を担う基盤的ネットワークシステム。 Shared Information Platform for Disaster Management の略称。

SNS

登録された利用者同士が交流できる Web サイトの会員制サービス。Social Networking Service の略称。

Society 5.0

狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く、以下のような新たな経済社会をいう。①サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させることにより、②地域、年齢、性別、言語等による格差なく、多様なニーズ、潜在的なニーズにきめ細かに対応したモノやサービスを提供することで経済的発展と社会的課題の解決を両立し、③人々が快適で活力に満ちた質の高い生活を送ることのできる、人間中心の社会。

TEC-FORCE

国土交通省緊急災害対策派遣隊(Technical Emergency Control Force)。大規模な自然災害等に際し、被災地方公共団体等が行う被災状況の把握、被害の拡大の防止、被災地の早期復旧等に対する技術的な支援を行う。

VLBI

数十億光年のかなたにある天体から放射される電波を、世界中の複数のアンテナで同時に受信し、その到達時刻の差からアンテナの位置やアンテナ間の距離を精密に計測する技術。例えば大陸の移動を実測することができるほか、地球の自転速度を計測することができるので、「うるう秒」の挿入にも活用されている。Very Long Baseline Interferometry(超長基線電波干渉法)の略称。

XRAIN (高性能レーダ雨量計ネットワーク)

近年、増加する集中豪雨や局所的な大雨の観測を強化するため、国土交通省により全国整備が進められているXバンド MPレーダ(マルチパラメータレーダ)とCバンドMPレーダとを組み合わせたリアルタイム雨量観測システム。 XRAINによるレーダ雨量情報は、高精度・高分解能(250m メッシュ)・高頻度(配信間隔1分)で、ほぼリアルタイムに提供されている。eXtended RAdar InformationNetwork の略称。

3次元空間ID (空間ID)

3次元空間を箱状のグリッドに分割し、それぞれのグリッドに付与した一意の識別子(ID)。3次元空間IDを検索キーとして、異なる基準に基づいた空間情報であっても一意に位置を特定し、様々な空間情報を検索して、自動的に結合することができるようになる。加えて、3次元空間を箱状に表現することで情報量・計算量を軽量化してシステムによる高速処理を実現する。3D都市モデルも含めた様々な3次元地理空間情報や気象状況、交通状況などのリアルタイム情報等をデジタル化した上で機械可読な形で効率的に流通させるデータ連携基盤となる。3次元空間IDの整備により、自動運転車やドローン、自動配送ロボット等が、運行環境をリアルタイムで把握し経路決定を行うなどの高度な運行を可能とするとともに、こうしたモビリティの運行の基礎となる地図やインフラ設備等の効率的な整備が可能となる。

3次元点群データ

3次元地図の一つであり、地形や構造物等について、その高さ情報を含めて点群で表現されたデータ。地形と構造物を含むデータ(オリジナルデータ)、フィルタリングにより地形のみを表現したデータ(グラウンドデータ)、格子状に成形したデータ(グリッドデータ)がある。地形と構造物を含むデータはDSM(Digital Surface Model、数値表層モデ ル)、地形のみを表現したデータをDEM(Digital Elevation Model、数値標高モデル)とも呼ぶ。3次元点群データを基にベクトルデータやTIN(地表面を三角形の集合体で表現したデータ)の作成が可能である。

4次元

前後、左右、上下の3次元に加え、時間軸を加えた時空間のこと。

アイデアソン

アイデア(idea)とマラソン(marathon)を組み合わせた造語で、新しいアイデアを生み出すために行われるイベント。ハッカソンとは異なり、物を作るのではなく、アイデアを生み出すことに重点を置いている。

熱海市伊豆山土石流災害

令和3年7月3日に静岡県熱海市の逢初川(あいぞめがわ)で発生した土石流災害。G空間情報センターから公開されていた災害前の3次元点群データと災害後に計測した3次元点群データ等を官民が分析し、被災範囲の特定等を行うこと で、迅速な初動対応や救援・救助活動時の二次災害防止を可能とした。

アプリケーション

アプリケーション・ソフトウェア(application software)の略称。パソコンやスマートフォン等におけるOS以外のソフトウェアのこと。

アルゴリズム

問題を解く手順のこと。コンピューターが同じ問題を解く場合でも、アルゴリズムの違いにより計算速度に違いが生じる。

いきものログ

環境省が運営する生きもの情報を収集・提供するインターネット上のシステム。生きものの観察情報を誰でも報告・閲覧することができる。

位置情報

GNSS測量等により得られる位置に関する情報のこと。携帯端末等にも機能が搭載されており、歩行者や自動車のナビゲーション、身の回りの情報検索・提供サービス等幅広く活用されている。

一般データ保護規則(GDPR)

2018 年5月 25 日に施行された欧州連合(EU)域内の個人データ保護を規定する法令。主に個人データの取扱い又は EU 域内から域外の第三国等への移転のために満たすべき義務を定めている。General Data Protection Regulation の略称。

緯度・経度

地球上の位置を示す表現の一つ。赤道を基準として南北へそれぞれ 90 度まで表したものを緯度、本初子午線を基準に東西へそれぞれ 180 度まで表したものを経度と呼ぶ。

インベントリ報告書

大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることを究極の目標とする「気候変動に関する国際連合枠組条約(国連気候変動枠組条約)」に基づき条約事務局に提出される、温室効果ガスの排出・吸収量と算定方法等を記載した報告書。

ウェブ地図

ウェブ画面上で閲覧可能な地図サービスの総称。

宇宙基本計画

宇宙基本法(平成 20 年法律第 43 号)に基づき策定されている、宇宙開発利用に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な計画。(閣議決定)

宇宙測地技術

宇宙にある天体や人工衛星を活用した測地観測技術。数十億光年のかなたにある天体から放射される電波を利用する超長基線電波干渉法(VLBI)、測位衛星を利用するGNSS測量、マイクロ波を利用する合成開口レーダ(SAR)等がある。

衛星安否確認サービス

大規模災害によって地上通信手段が途絶した場合でも、避難所の被災者情報等を準天頂衛星経由で収集するサービス。

衛星画像

地球観測衛星に搭載されたセンサ(カメラ)によって観測(撮影)される地球上の画像。空中写真と同様の可視画像 や、人間の目で見えない赤外線や紫外線、マイクロ波を用いたレーダ画像など、センサの種類により様々な種類の画像がある。

衛星航法システム(SBAS)※準天頂衛星システムによる

衛星の測位誤差や異常を監視し、測位誤差やGPSの信頼性に関する情報を準天頂衛星システムの静止衛星経由で航空機へ送信するシステム。航空機は、SBAS信号を用いて GPSの測位の誤差補正を行うことで測位性能が向上し、出発から到着まで衛星航法により飛行することが可能となる。

衛星測位

人工衛星からの信号を用いて位置や時刻に係る情報、また、これに関連付けられた移動の経路等の情報を取得すること。

オープンイノベーション

企業等の内部と外部のアイデアを有機的に結合させ、新たな価値を創造すること。

オープンソース

誰もが複製や改良、再配布できる形で公開されているソースコード(処理の内容が書かれたテキスト)のこと。オープンソースに関する文化の啓発活動を行っている Open Source Initiative が策定・公開しているオープンソースの定義の文書が広く知られている。https://opensource.org/docs/osd

オープンデータ

一般的には、データは誰もが制限なしにアクセス、再利用、そして再配布できるように利用可能にすべきであるという概念のことであるが、本計画においては、公的機関が保有するデータを、民間が編集・加工等をしやすい形で、インターネットで公開することを意味する。

温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)

宇宙から地球のほぼ全域にわたり、地球温暖化の原因と言われている二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガス濃度分布を観測する人工衛星。1号機は平成 21 年に、2号機は平成 30年に打ち上げられた。Greenhouse gases Observing SATellite の略称。

温室効果ガス観測センサ3型(TANSO-3)

温室効果ガス・水循環観測技術衛星(GOSAT-GW)に搭載されるセンサで、GOSAT及びGOSAT-2で観測する二酸化炭素とメタンに加えて、二酸化窒素を観測するとともに、10 キロメートルの空間分解能で全球を3日で隙間なく観測できる。

温室効果ガス・水循環観測技術衛星(GOSAT-GW)

新開発の「温室効果ガス観測センサ3型(TANSO- 3)」と「高性能マイクロ波放射計3(AMSR3)」を搭載する令和5年度打ち上げ予定の人工衛星。TANSO-3により、地球上の温室効果ガスを広範囲・高精度に観測することで温室効果ガス排出量の推定精度の向上、AMSR3により、水蒸気の解析精度の向上や降雪や陸上での水蒸気観測の実現を目指す。Global Observing SATellite for Greenhouse gases andWater cycle の略称。

カーボンニュートラル

二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」から、植林、森林管理などによる「吸収量」を差し引いて、合計を実質的にゼロにすること。政府は 2050 年までのカーボンニュートラル実現を目指している。

海洋基本計画

海洋基本法(平成 19 年法律第 33 号)に基づき策定されている、海洋に関する施策についての基本的な方針や、海洋に関して政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策等を記載した計画。(閣議決定)

海洋状況表示システム(海しる)

関係府省等が保有する海象、気象及び衛星情報などの様々な海洋に関する情報を集約し、地図上で重ね合わせて表示することができる情報サービス。リアルタイムの気象・海象情報をはじめ、安全や防災に関わる情報、海洋生物・生態系情報などを掲載している。海上保安庁が運用している。

海洋調査

海洋の状況の把握、海洋環境の変化の予測その他の海洋に関する施策及び実施に必要な調査。

科学技術・イノベーション基本計画

科学技術・イノベーション基本法(平成7年法律第 130 号)に基づき策定されている、科学技術・イノベーション創出の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な計画。(閣議決定)

河川管内図

管内図とはその事務所等が管轄するエリアの地図のこと。河川管内図では、河川の流路や河川名のほか、ダム、水位観測所等の河川管理施設の位置や名称等が記載されている。

活断層図

国土地理院が整備している活断層の詳細な位置や関連する地形の分布等の情報を縮尺 1/25,000 の地図上に表示した地 図。政府の地震調査研究推進本部が調査対象としている主要活断層帯 114 のうち海域を除いた 109 断層帯とその周辺が対象。

干渉SAR

SAR(合成開口レーダ)を活用し、地表面の変動を把握する解析技術。人工衛星に搭載されたSARにより同じ場所を 2回観測し、その反射波の位相差を取ること(干渉)によって2回の観測の間に生じた地表面の変動を把握することができる。この解析で得られる画像をSAR干渉画像という。

干渉SAR時系列解析

干渉SARの応用技術。多数のSAR干渉画像を統計的に処理することにより、SAR干渉画像に含まれる大気や軌道誤差に起因する誤差を低減することで、変動計測精度を向上させ、変動の時間推移を把握することができる。

機械学習

AI(人工知能)を実現するための手法の一つ。人間の学習に相当する仕組みをコンピューター等で実現するものであ り、一定の計算方法(アルゴリズム)に基づき、入力されたデータからコンピューターがパターンやルールを発見し、そのパターンやルールを新たなデータに当てはめることで、その新たなデータに関する識別や予測等を可能とする手法のこと。

気候変動

気候が変動すること。地球温暖化等の気候変動に起因して水災害・土砂災害の激甚化・頻発化が見込まれている。政府 は、気候変動対策の緩和策と適応策は車の両輪とし、気候変動対策を推進している。

気候変動観測衛星 「しきさい」 (GCOM-C)

平成 29 年に打ち上げた地球観測衛星。大気中に浮遊するエアロゾルや雲、二酸化炭素を吸収する陸上植物や海洋プランクトンなどの分布を長期間にわたり観測している。 GCOM-Cは、Global Change Observation Mission-Climate の略称。

基準点

地球上の位置や海面からの高さが正確に測定された電子基準点、三角点、水準点等で構成され、地図作成や各種測量(公共測量、地籍測量等)の基準となるもの。

気象警報

気象庁が発表する、暴風雨、暴風雪、大雨、大雪等に関する重大な災害の起こるおそれのある旨を警告して行う予報のこと。また、予想される現象が特に異常であるため重大な災害の起こるおそれが著しく大きい場合には、特別警報が発表される。

基盤地図情報

電子地図上における地理空間情報の位置を定めるための基準となる、測量の基準点、海岸線、公共施設の境界線、行政区画等の位置情報。項目や基準等は国土交通省令で定義されている。

競争領域・協調領域

競争領域:個々の企業が他社と競争する領域協調領域:複数の企業や政府等が協働で開発する領域

緊急消防援助隊

全国的な消防応援の制度及び同制度に基づく消防部隊。被災地の消防力のみでは対応困難な大規模・特殊な災害の発生に際して、発災地の市町村長・都道府県知事あるいは消防庁長官の要請により出動し、現地で都道府県単位の部隊編成がなされた後、災害活動を行う。

空中写真

航空機から地表面を撮影した写真。国土の状況や環境の把 握、社会基盤の管理、災害時における被災地域の特定など広範な分野に活用されている。航空写真とも呼ばれる。

グリーン社会

脱炭素化と経済成長の両立を実現する社会のこと。

公共測量

測量に要する費用の全部又は一部を国又は公共団体が負担又は補助して実施する測量など測量法第5条に規定される測量。

抗たん性(人工衛星の)

悪条件下等においても、より高い確率、より短い機能低下期間、より多様な事態等において、任務を達成するために必要な機能を提供するアーキテクチャーの能力。

航空写真

「空中写真」と同じ。

航空重力測量

航空機に搭載した重力計で上空から重力値を計測する測量方法。航空重力測量によって面的な重力の分布を求め、 GNSSを使った正確な標高決定に不可欠となる精密な標高基準を構築する。

航空レーザ測量

航空機に搭載したレーザ測距装置等を使用して、地表の精密な高さの情報を取得する測量方法。

高精度測位補強サービス(MADOCA-PPP)

準天頂衛星により配信される補強情報を用いてセンチメータ級の精密単独測位(PPP: Precise Point Positioning)を実現するサービスのこと。MADOCA(Multi-GNSS Advanced Orbit and Clock Augmentation)とは、高精度測位に必要な補正情報を生成するソフトウェア。サービス提供範囲はアジア・オセアニア地域。

高性能マイクロ波放射計3(AMSR3)

温室効果ガス・水循環観測技術衛星(GOSAT-GW)に搭載されるセンサであり、天候や昼夜を問わず、降雪や陸上での水蒸気等を観測できる。

高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(IT基本法)

高度情報通信ネットワーク社会の形成に関し基本方針、国及び地方公共団体の責務、重点計画の作成等の基本的事項を定め、関連する施策を迅速かつ重点的に推進することを目的に平成 12 年に制定された法律。デジタル社会の実現に向けた方向性を定めたデジタル社会形成基本法の成立に伴い、令和3年に廃止された。

高度データ活用社会

データを高度に活用し、様々な社会課題を解決する社会。

小型衛星コンステレーション

コンステレーションとはもともと「星座」の意味。小型衛星コンステレーションとは、多数の小型人工衛星を互いに連携・協調させ、一つのシステムとして運用を行う状態のこと。

国際GNSS事業

地球科学の研究や学際的な応用等に資するため 1994 年に国際測地学協会(IAG)の下に設立された国際協働事業。参加機関の国際協力に基づき、全世界のGNSS観測網の維 持、データ流通、解析を行い、正確な位置を測るために必要となるGNSSの精密軌道情報など、GNSSに関する様々な情報を提供している。

国際VLBI事業

VLBIの国際観測や技術開発の推進を目的として、1999 年に国際測地学協会(IAG)の下に設立された国際協働事業。参加機関の国際協力に基づき、全世界のVLBI観測網の運用、解析を行い、観測局の精密な位置や地球回転の変化など、地球の運動に関する様々な情報を提供している。

国際標準化

国際市場において円滑な取引を行っていくため、製品やサービスなどの規格を国際化すること。電気及び電子技術分野を除く産業分野に関しては国際標準化機構(ISO)で国際規格を作成しており、国際標準化には国際的な合意を得る必要がある。

国際標準化機構(ISO)

電気及び電子技術分野を除く産業分野に関する国際規格の作成を行っている国際機関。ISO/TC 211(地理情報)や ISO/TC 20(航空機および宇宙機)等で地理空間情報に関する標準化を議論している。

国土交通データプラットフォーム

国土交通省は、自らが多く所有するデータと民間等のデータを連携し、フィジカル空間の事象をサイバー空間に再現するデジタルツインにより、業務の効率化やスマートシティ等の国土交通省の施策の高度化、産学官連携によるイノベーションの創出を目指している。国土交通データプラットフォームは、この目的を実現するための、各種データの横断的活用に資するデータ連携基盤となるデータプラットフォーム。

国土強靱化基本計画

強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱じん化基本法(平成25年法律第95号)に基づき策定されている、国土強靱じん化に関する施策の策定に係る基本的な指針や、国土強靱じん化に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項等を定めた計画。(閣議決定)

国土交通データプラットフォーム

国土交通省は、自らが多く所有するデータと民間等のデータを連携し、フィジカル空間の事象をサイバー空間に再現するデジタルツインにより、業務の効率化やスマートシティ等の国土交通省の施策の高度化、産学官連携によるイノベーションの創出を目指している。国土交通データプラットフォームは、この目的を実現するための、各種データの横断的活用に資するデータ連携基盤となるデータプラットフォーム。

国連総会

すべての加盟国によって構成される国連の主要な審議機関。地理空間情報関連では、平成 27 年2月に、地球規模の測地基準座標系に関して、加盟国全体で連携して維持することを決議している。

国家座標

ある国の位置の基準であり、測地基準座標系に準拠した経緯度、平面直角座標、標高などの座標で表現される。我が国では、測量法第 11 条で定められた基準に準拠した緯度、経 度、標高、平面直角座標、地心直交座標が、国家座標である。一定の精度が保証され、統一的に利用されることで利便性や信頼性が高まるとともに、重複投資の排除等にもつながる。広義では「測地基準座標系」を含む場合もある。

災害・危機管理通報サービス

防災機関から発表された地震や津波発生時の災害情報などの危機管理情報を、準天頂衛星経由で配信するサービス。

災害時情報集約支援チーム(ISUT)

災害発生時に自治体等の災害対応機関が、救助、避難所支 援、道路啓開、インフラ復旧、物資供給等の活動を効率よく的確に行えるよう、災害対応現場における災害情報を集約・地図化し状況共有を支援する内閣府及び国立研究開発法人防災科学技術研究所等で構成されている組織。InformationSupport Team の略称。

災害情報ハブ

国、地方公共団体、民間事業者の各機関がそれぞれ保有する災害関連情報を共有・活用するための仕組みの構想。

災害ハザード情報

地震時の揺れの強さや津波高、洪水時の浸水範囲などの災害を発生させる可能性がある現象に関する情報のこと。本計画においては、浸水想定区域図などの地図上に重ね合わせることのできる情報のことを指している。

災害リスク情報

災害の発生する可能性とその被害(影響)の大きさに関する情報のこと。本計画では、災害ハザード情報も含めてこの用語を使用している場合がある。

再生可能エネルギー

太陽光、風力その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができると認められるもの。

再生可能エネルギー情報提供システム「REPOS」

環境に配慮した再生可能エネルギーの導入に向け、導入ポテンシャル情報(太陽光、風力、中小水力、地熱、地中熱、太陽熱)、配慮すべき地域情報・環境情報(景観、文化財、鳥獣保護区域、国立公園等)を発信するとともに、自治体における再エネ導入計画策定や事業化の検討等を促進する情報・分析ツールを提供するシステム。Renewable EnergyPotential System の略称。

再生可能エネルギー導入ポテンシャル

ポテンシャルとは、潜在能力のこと。再生可能エネルギー導入ポテンシャルとは、再生可能エネルギーの、①賦存量(ふぞんりょう)、②導入ポテンシャル、③シナリオ別導入可能量の総称。①~③の意味は以下の通り。①設置可能面積、平均風速、河川流量等から理論的に算出することができるエネルギー資源量のうち、現在の技術水準で利用可能なもの。②賦存量のうち、エネルギーの採取・利用に関する種々の制約要因(土地の傾斜、法規制、土地利用、居住地からの距離等)により利用できないものを除いたエネルギー資源量。③エネルギーの採取・利用に関する特定の制約条件や年次等を考慮した上で、事業採算性に関する特定の条件を設定した場合に具現化することが期待されるエネルギー資源量。導入ポテンシャルの内数。

サイバー空間

コンピューターネットワーク上の仮想的な空間。フィジカル空間と対になる概念。

作物統計調査

農林水産省が、毎年、耕地の状況、収穫量等を調査し、耕地面積、農作物の作付面積、収穫量、被害面積・被害量等を、全国、都道府県(主産県)別等に公表している統計調査。

座標データ

本計画では、緯度・経度等の地理空間情報データのことを指している。

次世代航空機搭載合成開口レーダ

9.2GHz-10.2GHz のマイクロ波を用い、高い高度から、夜間、悪天候、噴煙等の影響を受けずに地表面の状況を高精度に把握することができる次世代の航空機搭載合成開口レーダとして国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が開発した「Pi-SAR X3」のこと。

自然災害の激甚化・頻発化

近年、自然災害が頻発し、広範囲にわたる激甚な被害をもたらしている。特に、気候変動の影響により、大雨・短時間強雨の年間発生回数が増加するなど、雨の降り方が変わってきていることが観測されている。例えば、全国約 1,300 の観測地点があるアメダスの観測データによれば、1 時間降水量 50 ミリ以上の短時間強雨の発生頻度は、1976 年以降の統計期間において有意な増加傾向にあり、その最初の 10 年と直近の 10 年を比較すると、約 1.4 倍に増加している。雨の降り方が変化している背景には、自然変動の影響に加え、地球温暖化の影響もあると考えられている。

持続可能な社会

将来の世代のニーズを満たす能力を損なうことなく、現在の世代のニーズを満たすような開発が行われている社会。「環境と開発に関する世界委員会」が 1987 年に公表した報告書「Our Common Future」で「持続可能な開発」を、「将来の世代の欲求を満たしつつ、現在の世代の欲求も満足させるような開発」と説明している。

持続測位 ※準天頂衛星システムによる

GPS等の他国の測位衛星に頼らず、準天頂衛星システムのみで継続的に測位が可能になる状態のこと。準天頂衛星が7機あれば持続測位が可能となる。

市町村災害対応統合システム

市町村長が避難勧告等を適切に発令できるよう、大量の防災気象情報や災害情報をAIにより分析し総合的なリスクマップを作成して、避難対象エリアや避難勧告・指示タイミングの判断支援を行うシステム。

自動走行システム(自動運転)

ドライバーの操作なしに自動車が自動で走行するシステムのこと。自動運転を実現するに当たり、地理空間情報関連で は、ダイナミックマップ(高精度3次元地図)やGNSSによる測位が活用されている。自動運転のレベル分けは以下の通りである。レベル1:運転支援(衝突被害軽減ブレーキ等) レベル2:高度な運転支援(自動の追越し支援等)レベル3:特定条件下での自動運転レベル4:特定条件下での完全自動運転レベル5:完全自動運転

自動配送ロボット

自動走行などにより、自動で商品等を配送するロボットのこと。

社会インフラ

一般的には、道路、港湾、空港、上下水道や電気・ガス、医療、消防・警察、行政サービスなどのことを指すが、本計画では地理空間情報が次世代の社会インフラであると記述している。

重要業績評価指標(KPI)

目標を達成する上で、その達成度合いを計測するための指標のこと。Key Performance Indicator の略称。

首都直下地震

近い将来の発生が懸念されている首都東京及びその周辺を震源とするマグニチュード7クラスの地震。

準天頂衛星システム

日本のほぼ真上を通る軌道(準天頂軌道)に配置された衛星(準天頂衛星)及び静止衛星による衛星システム。GPS衛星と互換性のある信号を送信する衛星測位サービスのほか、測位の精度と信頼性を向上させる補強サービスや災害情報・安否情報を配信するメッセージサービスを提供。令和5年度をめどに、持続測位が可能となる7機体制の確立を目指している。

情報通信技術(ICT)

通信を使ってデジタル化された情報をやりとりする技術。

新型コロナウイルス感染症

令和元(2019)年 12 月に初の感染者が報告されて以降、現在(令和 4(2022)年 3 月)に至るまで世界中で猛威を振るっている感染症。感染症の拡大を防ぐために、「密」(密 閉・密集・密接)を避ける取組が社会全体で進められ、テレワーク、オンライン教育、オンライン診療などが急速に進んだ。地理空間情報関連では、「密」を避けるためのリアルタイムの混雑情報、感染者との接触確認情報等へのニーズが高まり、位置情報の活用が進んだほか、「人流」を可視化するツールとしてGISが活用された。

浸水推定図

水害発生直後に国土地理院が作成する浸水被害があったと推定される範囲を示した地図。被災状況を示すSNS画像や空中写真等と標高データから浸水状況(範囲・深さ)を推定して、深さを濃淡で表現した地図。

浸水想定区域図

本計画においては洪水浸水想定区域図を指している。水防法に基づき、洪水時の円滑かつ迅速な避難の確保や浸水の防止により、水災による被害の軽減を図るため、国土交通大臣又は都道府県知事が指定する区域を図示したものであり、想定し得る最大規模の降雨により当該河川が氾濫した場合に浸水が想定される範囲。市町村はこの図を活用してハザードマップを作成し、住民に周知している。このほか、高潮や雨水出水、津波等災害ごとの浸水想定区域図(津波は浸水想定図)もある。

深層学習

ディープラーニングともいう。機械学習の手法の一つ。機械学習のうち、多数の層から成るニューラルネットワークを用いるもので、人間の力なしに機械が自動的にデータから特徴を抽出して学習する。

シンボルプロジェクト

世界最高水準のG空間社会の実現に向けて、本計画において重点的に取り組むべき施策としているもの。第Ⅱ部6に 10個のシンボルプロジェクトを掲載している。

人流

人の移動の流れのこと。近年、GNSS受信機が搭載されたスマートフォンが爆発的に普及したことにより、その位置情報データを利用して詳細な人流の解析が可能となってきている。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で人流への注目が集まっている。

水防法

昭和 24 年法律第 193 号。「洪水、雨水出水、津波又は高潮に際し、水災を警戒し、防御し、及びこれによる被害を軽減し、もつて公共の安全を保持することを目的」とした法律。令和3年度の改正により、周辺に住宅等の防護対象がある一級、二級河川についても浸水想定区域の指定が義務付けられた。

ステークホルダー

企業が活動を行うことで影響を受ける利害関係者のこと。金銭的な利害関係が発生しない者も含む。例:取引先、顧客、株主・投資家、従業員、地域社会など。

スペース・ニューエコノミー創造ネットワーク(S-NET)

「宇宙」をキーワードに、新産業・サービス創出に関心をもつ企業・個人・団体等が参加するネットワーキング組織として創設された。様々なプレイヤーが集う「場」としての役割を担うとともに、参加する企業等を積極的に支援・コーディネートする「支援機能」を有することで、プロジェクト組 成、事業創出などで多くの成功事例を排出することを目指している。

スペクトル分解能

スペクトルとは、電磁波の波長ごとの強度分布を記録したもの。スペクトル分解能とは、スペクトル上で隣り合う二つのピークを分離する能力を示す指標のこと。

スマートシティ

ICT等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画、整 備、管理・運営等)の高度化により、都市や地域の抱える諸課題の解決を行い、また新たな価値を創出し続ける、持続可能な都市や地域であり、Society 5.0 の先行的な実現の場。

スマート農業

ロボット、AI、IOTなど先端技術を活用する農業のこと。

正射画像(オルソ画像)

上空から撮影した空中写真では、土地の起伏(高低差)による位置ズレが生じるとともに、高層ビル等は、写真の中心から外側へ傾いているように写る。正射画像(オルソ画像) は、位置ズレをなくし、真上から見たような傾きのないように変換した画像のこと。地図と正しく重ね合わせることができる。

成長戦略実行計画

経済財政諮問会議及び成長戦略会議等での検討を踏まえ令和 3年6月 18 日に閣議決定された、日本の成長戦略について具体的な方針が記載された計画。

静的(Static)なデータ、動的(Dynamic)でリアルタイム(Realtime) なデータ

静的(Static)なデータ:統計データなど、ある過去の時点の地理空間情報動的(Dynamic)でリアルタイム(Realtime)なデータ:自動車のプローブ情報、スマートフォンのGNSS機能で得られた位置データなど、現在かつ変化する地理空間情報

政府衛星データプラットフォーム「TELLUS」

衛星データを利用した新たなビジネスマーケットの創出を目的とする、日本発のクラウド環境で大量の衛星データ、データ処理アルゴリズム、アプリケーションを活用できる衛星データプラットフォーム。

全球地球観測システム(GEOSS)

各国が実施する衛星、海洋、地上観測によって取得した地球観測データ等を活用した気候変動等のグローバル課題への貢献を目指し、官民を含む広範囲のユーザに対して地球観測データ等を提供する情報基盤。Global Earth Observation System of Systems の略称。

全国活断層帯情報

政府の地震調査研究推進本部が調査対象としている主要活断層帯とその周辺を対象に、資料収集、現地調査、空中写真判読等の手法により、活断層の位置等を表した情報。

センシングデータ

リモートセンシングにより得られるデータ。

先進レーダ衛星 (ALOS-4)

平成 26 年に打ち上げた陸域観測技術衛星2号「だいち2 号」の後継機であり、Lバンド合成開口レーダを搭載し、令和4年度に打ち上げ予定。「だいち2号」の高い空間分解能(3 m)を維持しつつ、観測幅を4倍(200 km)に拡大することにより観測頻度が向上されるため、発災後の状況把握のみならず、火山活動、地盤沈下、地すべり等の異変の早期発見など、減災への取組において重要な役割を担う。

全地球測位システム (GPS)

人工衛星から発信される信号を利用して、地球上の3次元位置及び時刻を正確に測定するシステム。GNSSの一つで、米国で開発・運用している。Global Positioning System の略称。

「センチネルアジア」プロジェクト

アジア太平洋域における、地球観測衛星など宇宙技術を使って得た災害関連情報をインターネット上で共有し、台風、地震、津波、火山噴火など自然災害被害を軽減、予防することを目的とした国際協力プロジェクト。平成 18 年に発足し、令和2年度末現在、111 機関が参加している。

鮮度(地理空間情報の)

新しさの程度のこと。道路や建物等の建設等により、地図は日々古くなっていくため、鮮度を保つために修正・更新を行うことが必要である。

総合科学技術・イノベーション会議

平成 13 年の中央省庁再編に伴い、「重要政策に関する会議」の一つとして「総合科学技術会議」が内閣府に設置され、平成 26 年の内閣府設置法の一部改正に伴い、名称を「総合科学技術・イノベーション会議」に変更。内閣総理大臣のリーダーシップの下、科学技術・イノベーション政策の推進のための司令塔として、我が国全体の科学技術を俯瞰し、総合的かつ基本的な政策の企画立案及び総合調整を行っている。

総合防災情報システム

内閣府(防災担当)の整備する、政府内で使用される大規模災害時の初動対応等のためのシステム。震度分布や被害推 計、防災機関の防災情報などを、GISを活用して共通の地図に集約し、共有することが可能。

測位データ

衛星測位により得られたデータ。

測地基準系

地球上での位置を経度・緯度で表すための基準となる座標系及び地球の形状を表す楕円体を総称したもの。

測地基準座標系

測地基準系の要素の一つ。地球上での位置を経度・緯度で表すための基準となるもの。代表的なものにITRF系、 WGS系がある。日本の測地基準座標系はITRF系を採用した「日本測地系 2011」(JGD2011)に準拠している。

空飛ぶクルマ

明確な定義はないが、一般的には「電動」「自動(操縦)」「垂直離着陸」の空の移動手段のこと。「クルマ」とはいうが必ずしも道路を走行する機能を有するわけではない。

ダイナミックマップ

自動運転を実現するために必要な高精度3次元地図情報に、様々な主体が所有し時間とともに変化する位置特定可能な動的データ(動的情報、準動的情報、準静的情報)を重畳したもの。

タイル形式

地図データを一定の四角い形状ごとに分割し、クライアントのリクエストに応じ該当範囲のデータをタイル状に敷き詰めて地図表示する形式。国土地理院などの行政機関や民間地図会社等のウェブ地図で広く普及している地図表示の技術。

建物内部モデル

建物内部の情報を3Dモデル化したもの。

ため池防災支援システム

国、県、市町村及びため池管理者等の関係者が、災害時にため池の被災情報を迅速に共有し、国や都道府県による的確な支援等を行うためのシステム。

地域経済分析システム(RESAS)

地方公共団体が客観的なデータに基づき、地域の現状・実態を把握し、将来の姿を客観的に予測した上で、地域の実情・特性に応じた施策の検討・立案を支援することを目的に、地域経済に関連する様々な官民ビッグデータ(産業構造、人口動態、人流等)を集約し、地図やグラフで分かりやすく可視化したシステム。Regional Economy (and) Society Analyzing System の略称。

地殻変動

地球の表面を構成する地殻に生じている様々な変動を地表面の変形として捉えたもの。GNSS連続観測により地殻変動の姿を連続的に捉えることができる。

地殻変動補正

複雑な地殻変動が起こっている日本では、測量に利用される基準点等もこの地殻変動の影響により、実際の地球上の位置と座標値が時間とともにずれてしまうことから、地殻変動にゆがよるこれらの歪みの影響を補正すること。

地球環境ビッグデータ

衛星、海洋、地上観測によって取得した地球観測データや気候変動予測データなどを集積させた地球環境分野のビッグデータ。

地球観測データ

人工衛星からのリモートセンシングにより地球を観測したデータのこと。例えば、可視・近赤外センサでは、可視光線や近赤外線の強さを調べることで植物の分布状況、市街地などの地表の状態を知ることができるのに対し、SARでは、対象物に対して電波を放射しその反射波の強さや位相から火山や地震活動などによる地形変化を調べたりできるなど、衛星に搭載するセンサによってデータで見えるものが異なってくる。

地球規模の測地基準座標系(GGRF)

地球の形状とその時間変化を表現したもので、地球上で位置を計測する際に国境をまたいで参照することができる共通の位置を与えるもの。VLBIやGNSSなど、宇宙から地球を測る様々な計測技術(宇宙測地技術)の成果を集めて統合することで作成される。地球科学や社会・経済活動で用いられる様々な地理空間情報の基礎として活用されており、建 設、鉱業、農業、金融取引、輸送といった産業、さらには、海面変動や氷床融解など地球環境を把握する基礎となることから、2015 年の国連総会でその維持が決議された。GGRFは、Global Geodetic Reference Frame の略称。

地球規模の地理空間情報管理に関する国連専門家委員会(UN-GGIM)

2011 年 7 月の国連経済社会理事会(ECOSOC)決議により設置された、国連加盟国の専門家の委員会。地球規模の政策課題解決に求められる地理空間情報の整備と利活用に関し、国連加盟国間、国際組織、民間、学術界が議論、調整、促進する場を提供している。

地質情報

地表及び地下に分布する地層・岩石の特徴、地質時代、分 布、構造を表現した地理空間情報。地質図やデータベースとしてまとめられている。

地図サービス

民間事業者によるインターネット地図サイトなど、地図に関する情報サービスのこと。

地籍

所有者、地番、地目、面積、境界の位置など一筆ごとの土地の基礎的な情報であり、行政活動や民間事業等の様々な場面で活用されている。

知的財産権

著作権、意匠権、商標権等の人間の知的な活動から生じる創造物に関する権利のこと。

地表変動モデル

地表面の変動の様子を単純化して理解しやすくしたもの。

チャットボット

chatbot。「チャット」と「ボット」を組み合わせた言葉 で、人工知能を活用した、テキストや音声を通じて自動的に会話するプログラムのこと。

地理空間情報

空間上の特定の位置を示す情報(当該情報に係る時刻に関する情報を含む)と、これに関連付けられた情報。

地理空間情報活用推進会議

地理空間情報の活用について、関係行政機関相互の緊密な連携・協力を確保し、総合的かつ効果的な推進を図るために設置された、内閣官房副長官を議長とし関係府省庁が参加する会議(内閣官房副長官(政務及び事務)を議長とし、関係府省の局長級より構成される。)。

地理空間情報活用推進基本計画

本計画のこと。地理空間情報活用推進基本法(平成 19 年法律第 63 号)に基づき、地理空間情報の活用の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るために政府が策定する基本的な計画。(閣議決定)

地理空間情報活用推進基本法

平成 19 年法律第 63 号。国民が安心して豊かな生活を営むことができる経済社会を実現する上で地理空間情報を高度に活用することを推進することが極めて重要であることにかんがみ、地理空間情報の活用の推進に関する施策に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、地理空間情報の活用の推進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、地理空間情報の活用の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進することを目的とした法律。

地理空間情報高度活用社会(G空間社会)

誰もがいつでもどこでも必要な地理空間情報を使ったり、高度な分析に基づく的確な情報を入手し行動できる社会。本計画には、G空間社会の構築を目指した様々な取組を記載している。

地理空間情報の循環システム

G空間情報センターをハブとして、目的に応じて形成される各種の地理空間情報の集約システムや情報センターとを相互に連携させることで、より多くの情報を共有し、更に解析・加工をしていくことで新たな価値のあるデータを生成し、フィードバックすることでデータを循環させる仕組み。

地理空間情報の(活用)ポテンシャル

ポテンシャルとは、潜在能力のこと。自動車の自動運転やドローンの自律飛行等に衛星測位や地図情報が使われているなど、地理空間情報は新産業・新サービスや社会課題の解決のための基本的なツールとして活用されることが期待されている。

地理空間情報ライブラリー

国土地理院が保有する過去からの地図、空中写真、図面等を蓄積し、インターネットを通じて統合的な検索・閲覧・入手できるサービス。

地理情報システム

「GIS」を参照。

地理情報標準

国際標準化機構(ISO)地理情報専門委員会(TC 211)による地理空間情報の規格の検討に基づき、平成 11 年3月に国土地理院と民間企業が官民一体となって作成した地理空間情報に関する国内標準。また、広義には、地理空間情報に関する標準(ISO規格及びJIS等)の総称。

地理情報標準プロファイル(JPGIS)

地理情報標準を利用しやすくするため、地理情報標準の中から日本における実利用に必要な最低限守るべきルールを整理(体系化)したもの。Japan Profile for GeographicInformation Standards の略称。

地理総合

新学習指導要領(平成 30 年改訂)における高等学校の新たな共通必履修科目。持続可能な社会づくりを目指し、現代の地理的な諸課題を考察する科目。地図や地理情報システムなどを用いることで、汎用的で実践的な地理的技能を習得することなどが主要な特徴である。令和4年度高等学校入学生から年次進行で実施予定。

津波浸水被害推計システム

政府が津波発生時の初動対応に係る迅速・的確な意思決定を行うことを支援するため、津波による建物被害棟数や人的被害を地震発生後 30 分程度で推計する内閣府が運用するシステム。

データ統合・解析システム(DIAS)

地球観測データや気候変動予測データなどを蓄積、統合、解析することにより、気候変動等の地球規模課題の解決に貢献する情報基盤。Data Integration and Analysis System の略称。

デジタルインフラ

一般的には通信網やデータセンター等などのデジタル社会を支える設備のことを指すが、本計画では、主として、デジタル社会を支える基盤的なデータのことを指している。

デジタル改革

社会のデジタル化を進めること。「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」(令和2年 12 月 25 日閣議決定)において、今般のデジタル改革が目指すデジタル社会のビジョンとして「デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社 会」を掲げている。

デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針

社会のデジタル化を強力に進めるため、デジタル社会の将来像、IT 基本法の見直しの考え方、デジタル庁設置の考え方等について定めた政府としての方針。(閣議決定)

デジタルツイン

現実世界と対になる双子(ツイン)をデジタル空間上に構築し、モニタリングやシミュレーションを可能にする仕組み。

デジタル田園都市国家構想

令和3年に発足した岸田文雄政権が掲げている構想。デジタいル技術の活用によって、地域の個性を活かしながら、地方を活性化し、持続可能な経済社会を実現する「デジタル田園都市国家構想」の実現を図っていくこととしている。

デジタルトランスフォーメーション(DX)

世の中で使われている本用語の定義は厳密には一致していないが、ここでの定義は、「世界最先端デジタル国家創造宣 言・官民データ活用推進基本計画」(令和2年7月 17 日閣議決定)におけるものを踏襲し、以下としている。「将来の成長、競争力強化のために、新たなデジタル技術を活用して新たなビジネスモデルを創出・柔軟に改変するこ と。企業が外部エコシステム(顧客、市場)の劇的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変けん革を牽引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技 術)を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネスモデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること。」

電子基準点

GPSや準天頂衛星等の測位衛星(GNSS)の電波を受信して連続的に観測を行う国家基準点で、国土地理院により全国約 1,300 か所に設置されている。受信したデータはリアルタイムで国土地理院の中央局に送られ、国土地理院では得られたデータから各電子基準点の位置関係を高精度に計算している。電子基準点は、測量、全国の地殻変動監視及びi-Construction やスマート農業等の高精度測位に利用されている重要なインフラである。

電子国土基本図

電子地図上の位置の基準である基盤地図情報の道路、建物等の項目と、これまで地形図に表示してきた植生、崖、岩、構造物等の土地の状況を表す情報とを統合した地図情報、デジタル空中写真を利用したオルソ画像及び標準地名や通称・位置・範囲の情報に地理識別子を付与した地名情報の3種類の情報で構成された地図。日本の国土の情報が一体的に整備されている。

登記所備付地図

不動産登記法(平成 16 年法律第 123 号)第 14 条第1項の規定に基づき、登記所に備え付けられる地図のことをいい、これにより、各土地の位置及び区画(筆界(境界))を明確にすることができる。なお、登記所備付地図が備え付けられるまでの間、これに代えて、地図に準ずる図面(公図)が備え付けられている(同条第4項)が、公図は、明治期の地租改正の際に作成されたものが多く、現地を復元するほどの精度と正確性を有していない。

統合型GIS

地方公共団体において、複数の部局が基盤的な地図データ(共用空間データ基盤)を共用する地理情報システム。

動的(Dynamic)でリアルタイム(Realtime)なデータ

「静的(Static)なデータ、動的(Dynamic)でリアルタイム(Realtime)なデータ」を参照のこと。

土地・不動産情報ライブラリ

不動産取引価格や防災情報等の土地・不動産に関する情報を地図上に可視化し、一般国民や事業者等、不動産に関わるあらゆる人が、これらの情報を一元的に閲覧することができるウェブシステム。

ドローン

無人航空機のことであるが、マルチコプター型のものを特にドローンと呼ぶ場合がある。

南海トラフ地震

駿河湾から遠州灘、熊野灘、紀伊半島の南側の海域及び土佐湾を経て日向灘沖までのフィリピン海プレート及びユーラシアプレートが接する海底の溝状の地形を形成する区域及びその周辺の地域における地殻の境界を震源とする大規模な地 震。昭和東南海地震及び昭和南海地震が起きてから 80 年近くが経過しており、南海トラフにおける次の大地震発生の可能性が高まってきている。

二次利用

もととなる資料・データなどを、引用・コピー・加工などして利用すること。

日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震

房総半島の東方沖から三陸海岸の東方沖を経て択捉島の東方沖までの日本海溝及び千島海溝並びにその周辺の地域における地殻の境界又はその内部を震源とする大規模な地震。

日本産業規格(JIS)

製品、データ、サービスなどの種類や品質、それらを確認する試験方法又は評価方法や、要求される規格値などを定めており、例えば、生産者、サービスの提供者、使用者・消費者などが安心して品質が良い製品を入手したり、サービスの提供を受けることができるために用いられている。

農業インフラ

農地、農業用排水施設、農道等の農業に関するインフラのこと。

農業基盤データ

農地区画単位の画像情報に地番情報や農家・耕作者情報等の属性情報を付加したデータ。

農業農村整備

自然との共生を図りながら営まれている農業を支援するたせきめ、水田で必要な農業用水を確保するためのダムや堰の建設、営農条件を改善するための水田、畑の整備、農産物などを運搬するための農業用道路の整備、農村の環境整備のこ と。

農地台帳

農地に関する所在・地番、地目、面積などの事項が記載された台帳のこと。農地法(昭和 27 年法律第 229 号)により一部の事項について公表が義務付けられている。

農林水産省地理情報共通管理システム(EMAFF地図)

農林水産省共通申請サービス(EMAFF)の利用を進めながら、デジタル地図を活用して、農地台帳、水田台帳等の農地の現場情報を統合し、農地の利用状況の現地確認等の抜本的な効率化・省力化などを図るためのシステム。

ハイスペックドローン

通常のドローンの性能(動画及び画像撮影機能、機体と操縦装置の通信が途絶した場合における安全機能)等に加え、自立制御飛行機能、防水性能、赤外線カメラを有した汎用性に優れたドローンのこと。なお、ハイスペックドローンの中には地図画像作成機能を有したものもある。

ハザードマップ

地震、台風、火山噴火等による災害時における人的被害を防ぐことを主な目的として作成された地図。被害想定情報や、避難場所等の情報が掲載されている。

ハザード・リスク情報

地震時の揺れの強さや津波高などの自然現象とその発生確率や、それらの情報をもとに想定される災害が発生した場合の社会的影響に関する情報のこと。

ハザード・リスク評価

ある場所においてどのようなハザードが発生しうるかを評価することをハザード評価という。また、そのハザードによって生じるリスクを評価することをリスク評価という。

ハッカソン

ハック(hack)とマラソン(marathon)を組み合わせた造語で、プログラマーなどが短期間集中してソフトウェア等を開発し、成果を競い合うイベント。

バリアフリーデータ

バリアフリートイレやエレベーター等の情報のこと。国土交通省は官民連携でバリアフリー情報のオープンデータ化・活用の取組を推進している。

パリ協定

2015 年にパリで開催された国連気候変動枠組条約第 21 回締約国会議において採択された気候変動に関して全ての国が参加する 2020 年以降の新たな国際枠組み。2016 年発効。温室効果ガス排出削減の長期目標として、気温上昇を2℃より十分下方に抑えるとともに 1.5℃に抑える努力を継続するこ と、そのために 21 世紀後半に人為的な温室効果ガス排出量を実質ゼロ(排出量と吸収量を均衡させること)とすることが盛り込まれている。

阪神・淡路大震災

平成7年1月 17 日に発生した兵庫県南部地震により発生した大震災。被災状況の把握や復興計画の策定の際にGISが活用されたが、関係府省がそれぞれ独自にシステムやデータを整備した結果、効率的な整備や相互利用を行うことができなかった教訓を踏まえ、同年9月に内閣に「地理情報システム(GIS)関係省庁連絡会議」が設置され、GISの普及のための必要な施策を講じることになった。同会議はその後発展的に改組され、現在の地理空間情報活用推進会議につながっている。

ビッグデータ

ボリュームが膨大でかつ構造が複雑であるが、そのデータ間の関係性などを分析することで新たな価値を生み出す可能性のあるデータ群のこと。

標高基準

平均海面(標高0M)を仮想的に陸域に延長した基準面のこと。「ジオイド」ともいう。標高0Mの基準面は地下の密度の不均一により凹凸がみられる。GNSS測量から得られるだ幾何学的な高さ(楕円体高)から標高を算出するために不可欠な情報。

標高データ

ジオイド(標高基準)からの鉛直方向の高さ。日本の標高は東京湾の平均海面を基準にしている。

フィジカル空間

実世界のこと。サイバー空間と対になる言葉。

不動産ID

住所や地番の表記ゆれに影響されることなく不動産を一意に特定することができる、各不動産の共通コード(令和3年度中に国土交通省においてルール策定予定)。

プラットフォーム

ある仕組みやサービスを機能させるために必要な土台・基盤となる環境のこと。

プローブ情報

人間が持っているモバイル端末や、自動車に搭載されたセンサ等が取得する位置情報を活用して、人間や自動車の行動や動きに関して生成された様々な情報のこと。

平成30年7月豪雨

平成30年6月末から7月上旬にかけて、停滞した前線と台風7号の影響で西日本を中心に発生した豪雨。岡山県、広島県、愛媛県などで浸水等の被害が発生した。地理空間情報を活用した速報性と可視性をもった情報として、SNS等の情報から浸水範囲を推定して地図に表現する浸水推定図が初めて作成された。

平成30年北海道胆振東部地震

平成30年に胆振地方中東部を震央として発生した地震。

ベース・レジストリ

内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室(現在のデジタル庁)によると、「公的機関等で登録・公開され、様々な場面で参照される、人、法人、土地、建物、資格等の社会の基本データであり、正確性や最新性が確保された社会の基盤となるデータベース」と定義されている。地理空間情報関係では、電子国土基本図等がベース・レジストリとして指定されている。

ベクトルタイル形式

ウェブ地図サービスで広く普及している地図表示技術であるタイル形式のうち、画像ではなく機械判読が容易な地図データであるベクトルデータからなるタイル形式。

防災計画

防災に関する計画のこと。中央防災会議が政府の防災対策に関する基本的な計画である防災基本計画を定めているほか、国・地方公共団体、企業、地域コミュニティ等がそれぞれの行動計画等を定めている。

防災サイクル

耐震化・ハザードマップの整備等の事前防災、災害発生直後の災害状況の早期把握・被災者の早期救出等の緊急的な対 応、その後の復旧・復興等の防災に関する一連のフェーズのこと。災害からの被害軽減のためにはこれらを総合的に取り組む必要がある。

防災情報

防災に関する情報のこと。災害発生後に得られる被害情報等のほか、ハザード・リスク情報等の事前防災に資する情報も含む。

防災地理情報

洪水や液状化等の自然災害によるリスクの把握に役立つ情 報。土地の成り立ちと、その土地が本来持っている自然災害リスクを確認できる地形分類データや活断層等の位置等を表した活断層図、過去に起きた自然災害の規模や被害の状況を伝える自然災害伝承碑の情報等が含まれる。

放射線モニタリング情報共有・公表システム

緊急時における国民への情報伝達の円滑化に資するよう、平時から、原子力施設周辺及び全国に設置された放射線モニタリングポストの測定結果の集約・公表を行うシステム。原子力規制委員会が運用。

補強(機能)※準天頂衛星システムによる

測位信号に加え、測位誤差補正情報等を準天頂衛星を経由して配信することにより、測位の信頼性と精度を高めること。

水循環

太陽のエネルギーによって海水や地表面の水が蒸発し、上空で雲になり、やがて雨や雪になって地表面に降り、それが次第に集まり川となって海に至るというように、水が循環すること。

水循環変動観測衛星 「しずく」 (GCOM-W)

平成 24 年に打ち上げた地球観測衛星。海氷・氷床・積雪などの雪氷圏変動、エルニーニョに代表される大気・海洋相互作用に伴う海面水温・降水量・水蒸気量等の変動を観測している。

民間車両プローブ情報

自動車メーカー等が収集している個々の自動車の位置や速度に関する情報。得られた情報をビッグデータとして処理することで、渋滞情報などに活用されている。

民間等電子基準点

民間企業等が設置したGNSS連続観測局のうち、一定の性能基準を満たし国土地理院に登録されたもの。

無人航空機

UAV(Unmanned Aerial Vehicle)とも言われる。航空法(昭和 27 年法律第 231 号)において「無人航空機」は、航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空 機、飛行船その他政令で定める機器であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをいう。)により飛行させることができるもの(その重量その他の事由を勘案してその飛行により航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないものとして国土交通省令で定めるものを除く。)として定義されている。一般的に「ドローン」と呼ばれる。

モビリティ

自動車、鉄道などの各種移動手段のこと。近年、次世代のモビリティとして空飛ぶクルマ等の開発が進められている。

ユースケース

利用事例、導入事例のこと。

陸域観測技術衛星2号(ALOS-2)

平成 26 年に打ち上げた陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)の後継機。Lバンド合成開口レーダを搭載し、衛星から地上までの距離の変化を数 cm の精度で検出できる性能を持ち、地震・火山活動などの詳細な把握に貢献している。

陸閘

人や車両の通行のために堤防等を切って設けられた海岸への出入り口を閉鎖する門。その門扉が、閉鎖時に堤防としての役割を果たす。

リスク情報

危険性に関する情報のこと。本計画においては、災害による被害の危険性についてこの用語を用いている。

リモートセンシング

人工衛星や航空機等に搭載された様々なセンサを使って、離れた場所から対象物を計測、観測すること。

令和2年7月豪雨

令和2年7月に九州から東北の広い範囲で大きな被害をもたらした大雨。特に熊本県で球磨川の氾濫等により甚大な被害が発生した。

令和元年東日本台風

令和元年 10 月に東日本を中心に大きな被害をもたらした台風。多くの河川が氾濫したほか、土砂災害の発生件数は記録の残る一つの台風に伴うものとしては過去最大の発生件数となった。

レーダ雨量(計)

レーダ雨量とは、レーダ雨量計を用いて捉えた面的な雨量分布情報のこと。レーダ雨量計は、回転するアンテナから電波を発射し、雨滴に反射した電波を再び同じアンテナで受信し、受信電波の状況(返ってくるまでの時間、電波の強さ、位相の変化など)から降水強度の面的分布などを観測する機器のこと。

ローカル5G

5Gとは、「超高速」、「多数同時接続」、「超低遅延」の機能を持つ次世代の移動通信システム。ローカル5Gとは、地域の企業や自治体等の様々な主体が、自らの建物内や敷地内でスポット的に柔軟に構築できる5Gシステム。様々な課題の解決や新たな価値の創造等の実現に向け、多様な分野、利用形態、利用環境において活用されることが期待されている。

ロボットトラクター

無人で自動走行が可能なトラクターのこと。トラクターとは車両系の農業機械の一つで、作業機をけん引して農地を耕すなど様々な用途で用いられる。

全用語集ダウンロード